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3路スイッチのある複線図の書き方(最小電線本数問題) [電気工事士]

DIYで自宅のスイッチなどを交換したくなり、平成29年度下期の第二種電気工事士試験を受けるべく勉強を始めました。

3路スイッチのある回路の単線図から複線図を起こす場合に、どっちの3路スイッチを電源の非接地側につなげばいいか悩むことがあります。

間違えると、ジョイントボックス間に余計な接続線が発生し、ジョイントボックス間の最小電線本数問題や、ジョイントボックス内の使用リングスリーブ種類や個数を問う問題で誤答することになります。

オーム社の「すぃーっと合格」には、
「電源から遠いほうへ電源2本が必要な場合は、3路回路の電灯は近くの3路スイッチにつなぎ、電灯から遠い3路スイッチに非接地側をつなぐのが、ジョイントボックス間の電線本数を最小にするコツです。」
と書いてありますが、いまひとつ腑に落ちません。Yahoo知恵袋なんかには、「両方書いてみて少ないほうを選ぶ。」みたいな回答がされていますが、試験中にそんなことに時間を浪費したくはありません。

そこで、わかりやすい書き方を考えてみました。

h24上期34.png
これは平成24年度上期の筆記試験の問い34の単線図。上下のジョイントボックス間の最小電線本数を問うものです。


複線図1.jpg
(1)まず、定石どおり、接地側線(W)を電灯につなぎます。電灯の記号は単純化してあります。


複線図2.jpg
(2)つぎに、単極スイッチ(ロ、ハ)のみを、非接地側線(B)と電灯につなぎます(赤線)。3路スイッチ(イ)がらみ以外の配線を先に確定してしまうのがキモになります。


複線図3.jpg
(3)3路スイッチ(イ)の1番端子同士、3番端子同士をつなぎます。ここまでの配線は間違いようがないことはお分かりかと思います。


複線図4.jpg
(4)2つの3路スイッチ(イ)のどちらかの0番端子に、電源の非接地側線をつなぐのですが、(2)までで作成した配線を利用して、最も近いジョイントボックスから非接地線を持ってくる、できれば、3路スイッチ(イ)と同一の連用取付枠にある他のスイッチやコンセントから、渡り線で持ってくるのが電線数を最小にするコツです。

仮に電灯(ハ)と単極スイッチ(ハ)の回路がなければ、上側の単極スイッチ(ロ)からの一択になるので迷いようがないのですが・・・
この設問の回路の場合、上側の単極スイッチ(ロ)と下側の単極スイッチ(ハ)のいずれからでも、3路スイッチ(イ)に渡り線が接続可能になっています。


もし、単極スイッチ(ロ)の非接地側線を上の3路スイッチ(イ)の0番端子と接続してしまうと、上下のジョイントボックス間に、下の3路スイッチ(イ)の0番端子と電灯(イ)とをつなぐための電線が1本余計に必要になることがわかります。

したがって、下の3路スイッチ(イ)の0番端子と単極スイッチ(ハ)の非接地側線を渡り線でつなぎ、上の3路スイッチ(イ)の0番端子と電灯(イ)をつなぐのが正解で、ジョイントボックス間の最小電線本数は4本になります。


電灯(イ)が上側ではなく下側のジョイントボックスに接続されていたらどうなるでしょう。

(1)                    (2)
複線図2-1.jpg複線図2-2.jpg

(3)                    (4)
複線図2-3.jpg複線図2-4.jpg

この場合は、逆に、上の3路スイッチ(イ)の0番端子と単極スイッチ(ロ)の非接地側線を渡り線でつなぎ、下の3路スイッチ(イ)の0番端子と電灯(イ)をつなぐのが正解で、ジョイントボックス間の最小電線本数は同じく4本になります。
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第二種電気工事士平成29年度下期筆記試験を受けてきた [電気工事士]

本日9月30日、第二種電気工事士の筆記試験を受けてきました。

会場は埼玉大学。小中学校にあるような机といすが並べられた小教室でした。
問題用紙が大学ノート(死語か?w)見開きの2倍の大きさ(B4)なので机が小さすぎて広げるとはみ出してやり辛かったです。もしかして技能試験もこの机でやらなきゃいけないのか orz。

・運が悪かったこと
 教卓前の最前列の席だったので、周りの様子がよくわからず、時計もよく見えなかった。

・運がよかったこと
 9月18日の複線図の記事で引用した配線図が出た。おかげで配線図問題は落ち着いて解答できました。

29年度から出題傾向がちょっと変化しているようで、

分岐回路の必要許容電流(3~8mは35%、>8mは55%ってやつ。)が、従来分岐距離から許容電流を求める問題が多かったのが、逆に許容電流から分岐距離を求めるもの(このパターンは「すぃーっと合格」シリーズの過去問には載っていない。)が上期、下期連続で出題されたり、

金属製可とう電線管といえば通常2種だったのが、下期には1種金属製可とう電線管が登場したり、

電動機とそれ以外の負荷が混在している場合の幹線の許容電流(IW≧1.25IM+IHとかIW≧1.1IM+IHってやつ。)が、従来、電動機の定格電流の方がそれ以外の負荷よりも大きく1.25IM+IHか1.1IM+IHを選択させるような出題だったのが、下期には電動機の定格電流の方が小さく単純にIM+IHで求められるものになっていたり、

上期には系統連系型太陽電池設備でパワーコンディショナが用いられることを問う問題が出されたり、

と、過去問ではなじみの薄かった問題が出題されています。平成30年度以降受験される方は注意が必要かもしれません。
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